トランスポゾン

8月の下旬に基礎生物學研究所に行ってきたので大雜把に書いてみようと思ひます。

トランスポゾンについての研究體驗をしてきました。

まずトランスポゾンとは何か。
トランスポゾンといふのは、一言でいふと「DNA上を動く鹽基配列」です。
トランスポゾンには二種類あります。
レトロトランスポゾン・・・DNAからRNA轉寫→そこから相補的な配列のDNA(cDNA)が逆轉寫→そのDNAがある場所に插入
DNAトランスポゾン・・・DNAがある場所から離脱→違ふ場所に插入
といふ感じです。
レトロトランスポゾンはその配列がコピーされて別の所にズバズバ入っていくのに對し、DNAトランスポゾンはDNA上である配列がピョッと離脱して他の場所にスポッと入るやつです。
自分が實驗してきたのはDNAトランスポゾンの方です。DNAトランスポゾンが移動することを「轉移」と云ひます。

ではトランスポゾンがいつ轉移するか。「DNAって生物によって決まってるものだから、少しでも變ってしまふとやばいんぢゃない?」って思ってる人もゐるやうですが、實はこのトランスポゾンのせゐで(お蔭で)DNAは刻々と變ってゐます。(トランスポゾンの轉移は動物では少なく、植物では多いやうです。)
不斷は轉移しないやうに制御されてゐるみたいですね。しかし、環境の變化によって刺激が加はるとそれがトランスポゾンの轉移を促して(制御が外れて)DNAが變化します。そして偶然、環境に適應できるやうに進化できれば・・・といふやうに、トランスポゾンは進化の原動力と言はれています。

こーん

同じトウモロコシなのに實の色が違ふ。これはトランスポゾンが轉移したりしなかったりしてゐる結果です。こんなに頻繁に飛んでゐるんですね。
因みにこの「動く遺傳子」を發見したバーバラ・マクリントックはトウモロコシを見てこのアイディアを思ひ付いたさうです。



實驗にはイネを使ひました。

今回はミュータント(變異體)に親指姫變異體といふ、矮小型のものをもちゐました。
この變異體はジベレリンの受容體(タンパク質)をコードする遺傳子に、トランスポゾンが插入した結果、發現しなくなったものです。
(ジベレリンは植物の成長に關はる物質)

いね
※右が變異體

これの變異は劣性遺傳なので、親指姫變異體のDNAからは正常な野生型の遺傳子は取れないはずです。

しかし、調べてみると、野生型の遺傳子も見つかるのです。
これは、成長途中にある細胞で(ジベレリン受容體をコードする遺傳子に插入されてゐる)トランスポゾンが脱離した証拠です。
ただし、脱離した細胞は少數なので、外見は小さいままです。

といふ感じで、トランスポゾンが脱離したことを確かめることができましたと。
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テーマ : 自然科学
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プロフィール

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Author:try
千葉県1992年生まれ。
東京工業大学・生命理工学部
趣味はアニメ・ラジオ・ゲーム全般。声優に詳しい。
野球も好き。広島カープファン。
言語学が趣味で生物学は勉強中。語学はロシア語と中国語。
「学習は問題場面において解決を求めて行なわれるランダムな試行錯誤の結果生じるものだ。」―Thorndike

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